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Live Report:
KANKAWA Produce
Acoustic Progressive Jazz

11st March 2001 Tribute To The L
ove Generation

A.P.J. & KANKAWA ミニミニインタビュー

一音一音への繊細な集中力・・・

       それらが見事に織り成す絵画的世界

 

A.P.J. -Acoustic Progressive Jazz-のツアー終盤にさしかかったこの日はゲストにKANKAWAを迎えての豪華なライブとなった。A.P.J.の美しく清涼感あふれる世界とKANKAWAの情緒豊かな表現力、彼等の"音"に対する繊細な集中力は見事なまでに「絵画的世界」を織り成した。

 

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オープニングは静かなピアノのパッセージから始まる「Jellyfish Garden」。映画のワンシーンのような、草原の中を自転車で走りぬけた時の体に感じる風というか、爽やかな空気を感じさせる曲。凛とした難波弘之のピアノ、ソフトで繊細な水野正敏のベースライン、透明感のある音色が印象的な池長一美のドラム、これらが相まって静かなグルーブ感を出していく。

 

2曲目「百家争鳴」はプログレセッション等でおなじみの難波の曲。シンプルな音構成になったことで、より曲の輪郭がはっきりと際立つようである。 実はA.P.J.のアルバムでこの曲を聴いたとき、正直なところ少し驚いた。普段、よりプログレッシブな重厚でボリューム感あふれる演奏を耳にしていただけに、アコースティックピアノ一本で、アコースティックな編成で演奏するという、その"勇気"に驚いたわけである。より"ごまかしの効かない世界"だから。それにはピアノパートだけでなく個々のプレイヤーのテクニック、感性、表現力が備わっていなければならない。

A.P.J.の演奏は見事である。絶妙なリズムタイミング、ピアニッシモを十分に聴かせることで出るボリュームの幅でダイナミズムを表現し、さらに感性豊かに歌い上げている。

 

 

「百家争鳴」のあとは「しーん」と静まりかえった中での池長のドラムソロ。本当に一音、一音の音色が美しい。繊細なストロークとシンバルの響きを楽しむかのようにとられる"間"が印象的である。

 

「Ameba In Maze」イントロ、重量感のあるピアノ。中低音中心に展開されるコード感〜ピアノ&ベース、ユニゾンでのメロディーラインがユニークな曲。個性的なアプローチで独自の世界を作り出す水野のベースソロ、ピアノの音色、響きを豊かに聴かせる難波のピアノソロ。両者の卓越したソロプレイを堪能した1曲。

 

 

「Dimetra」複雑な変拍子で有名(!?)な曲。これも「百家争鳴」同様、バンド編成での演奏が耳に残る曲だが、キレの良いリズムによるビート感、そして音量的なダイナミクスではない、音の深さと空間への広がりを感じた。

 

2ndステージは「阿梵(Ah Bon)」から。明るく活発なイメージの情景が浮かぶ。曲の随所で流れるピアノのアルペジオが美しい。

 

 

 

「薔薇と科学」では、いよいよKANKAWAがメロディカで登場。テーマを奏でるメロディカの音色は不思議なほどの存在感だ。水野のベースが歌い、池長のドラムが小気味よくビートを刻み、難波のピアノが縦横無尽に奏でる。そして、その上に絡まるように響くメロディカ。「薔薇と科学」はドラマティックに展開した。

 

ボサノバ「コルコバード」。前半はピアノとメロディカから・・・澄み渡るように響くピアノ、哀愁に満ちたメロディカのメロディー、心打たれる、絶品のデュオ。やがてベースとドラムが静かにリズムを刻みだす。テーマをとるメロディカの音色は魂に響くようだ。会場はどことなく懐かしい、そして心地よいグルーブに包まれた。

 

 

「Progroove」(HARD JAZZ!)。アップテンポな疾走感のあるイントロ。KANKAWAのオルガンが唸る。テーマをとるピアノに絡まるオルガン。相変わらずの存在感を見せつける水野のベースソロ。ヒートする縦横無尽なKANKAWAのオルガン、凄まじいソロだ。オルガンに煽られるように全体のボリュームが上がっていく。決してビート感を崩すことなく展開する池長のドラムソロ。そしてアップビートした中、難波のピアノソロも迫力を増す。曲はさらにボリュームアップしフィニッシュへ。

 

 

 

 

 

アンコールは"KANKAWA モード"でG7ブルース!ご機嫌なノリ、最高にイカしたオルガン。ここで難波がカシオAZ-1を手に登場。オルガンに負けじと強力なシンセサウンドを聴かせる。後半にかけてのオルガン&シンセの掛け合いは途中"Smoke On The Water"のリフまで飛び出す盛り上がり!最高にヒートアップした怒涛のブルースとなった

 

Acoustic Progressive Jazzという新境地を開拓したA.P.J.。清涼感漂う詩的な、絵画的世界とハードにヒートアップする瞬間。まだまだこれから「何が飛び出してくるのか?」といった期待大である。

 

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MEMBER:

難波弘之 (
Pf) Profile, Schedule
水野正敏 (Bs)Profile, Schedule
池長一美 (Ds)Profile

Guest:
KANKAWA (Org. Melodica) >Profile, Schedule
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SET LIST:

1st Stage:

1. Jellyfish Garden
2. 百家争鳴
3. Drum Solo
4. Ameba In Maze
5. Dimetra

 

2nd Stage:

1. 阿梵(Ah Bon)
2. 薔薇と科学
3. コルコバード
4. Progroove

Encore) G7 Blues

 

Report & Photos: S.Hatano

 

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