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Artist Press Vol. 5 > Feature: 難波弘之

難波弘之インタビュー
機材紹介
Live Report: "Thanks to Singers" 21st November 2001 at ON AIR EAST




難波弘之プロ・デビュー25周年記念ライブ "Thanks to Singers"

21st November 2001 at ON AIR EAST

Thanks to Singers・・・25周年を迎えた難波弘之とゆかりのあるシンガー達が一同に会しての大イベント。
とても楽しくて、カッコ良くて、聴き応え十分!すべてが暖かい空気に包まれたこの夜は、まさに"最高にゴージャスな学園祭"となった。

 

"Thanks to Singers"によせて from 難波弘之
"Thanks to Singers"を終えて from 難波弘之、吉留大貴(プロデューサー)


Band Members: 難波弘之 (Keyboards), 大谷令文 (Guitars), 松本慎二(Bass), 下田武男(Drums)

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全く正直なところ、"Thanks to Singers" この企画をはじめて聞いた時、ものすごく興味をそそられると同時に、一抹の不安を感じていた。なぜならここ最近、ポップス系、ロック系の"ヴォーカルものライブ"から遠ざかっており、当然「レポート」なるものも書いたことがなかったからである。というわけで、少々不安な気持ちをかかえながら、当日会場に足を運んだ。

開演前、もう立ち見客がぎっしりの場内にフランス歌曲が流れた。歌うのは声楽家、難波千鶴子難波弘之氏の御母上)、清らかで美しいソプラノを聴いていると心が洗われるようだ。歌曲が終わり、ステージに登場した難波弘之からは「今日は学園祭のようなもの」と一言、リラックスした雰囲気でステージの幕があがった。


金子マリ (EX. バックス・バニー)

トップバッターは、70年代に“下北沢のジャニスと言われた金子マリ。オープニングの難波とのピアノデュオで歌い上げた「What a wonderful world」は素晴らしかった。独特のハスキーヴォイス、強くハリのある声が会場全体に気持ちよく広がり、一言一言が確実に心に響いてくる。こういう人を"天性のヴォーカリスト"というのだろう。

ブルーのライトが静かに照らす中、ギター弾き語りでやさしく語りかける「イルカたちのように」、大谷令文のギターが絶妙のフレーズを聴かせた「それはスポットライトではない」、美しく響くエレピの音色が印象的な「セレナーデ」と続き、ラストはノリよくファンキーにグルーヴした「最後の本音」。パンチの効いた金子のヴォーカルに応えるようにステージ全体がエキサイトする。パワフルかつタイトなストロークの下田武男。渋いフレーズを聴かせるベースの松本慎二。大谷のギターはより熱く炸裂し、難波のオルガンソロはまさに縦横無尽、音色、フレーズともに最高のセンスで圧倒した。


 

松本慎二 難波弘之
大谷令文 下田武男

 

吉良知彦 (ZABADAK) & 大木理紗 (EX.ページェント、ミスター・シリウス)

2人目のシンガーは吉良知彦。実はこの日、初めて知ったシンガーだったが、以来、吉良知彦 = ZABADAKの世界に魅了されることになる。1曲目はアコースティックピアノが効果的に鳴り響く「Colors」。彼はとてもハートフルなシンガーで、そのナチュラルなヴォーカルを聴いていると、心が暖かくなり勇気付けられる。そして曲が進むにつれて、バンド全体のサウンドが大きな空間いっぱいに広がり、そのサウンドに包みこまれるような感覚にとらわれた。

「Colors」の後、3人目のシンガー大木理紗が登場。彼女のヴォーカルを聴いた時、"天使の声"と思ってしまった。吉良とデュエットした「遠い音楽」では、透明感のあるソプラノに魅了された。吉良とのボーカルバランスがとても良く、美しいヴォーカルハーモニーを聴かせた。この曲を聴いていると本当に"遠くてなつかしい昔"に想いをはせてしまう。

 
吉良知彦   大木理紗

どこかヨーロッパの香りのする「水の踊り」はメンバーが猛練習をしたという"大曲"。大木のヴォーカルがどこまでもスペイシーに広がり、吉良と大谷がアコースティックなギターで哀愁のおびたフレーズを聴かせる。次々と曲調、場面が移り変わったが、圧巻は後半、吉良&大谷のエレキギターによるメロディーのハモリ、それに続く怒涛のような難波のシンセソロ。まさに圧倒された。その余韻が残る中でのラストソング「永遠の森」も、総力を尽くした演奏で感動的に盛り上がった。

 


「花・太陽・雨」


難波がヴォーカルをとった「花・太陽・雨」。彼の声はソフトで暖かい。松本が迫力のあるベースソロを聴かせ、難波のオルガンが唸りを上げる。エンディング、「花・太陽・雨」と繰り返されるコーラス印象的だった。

 

ダイアモンド◇ユカイ (Red Warriors)

「花・太陽・雨」のエンディングからそのまま下田がリズムを刻みだし、「Sympathy for the devil」のイントロへ。軽快なリズムに乗ってダイアモンド◇ユカイが飛び出す。とたん、場内はロック一色に!ステージ上をところ狭しと動き回り、全身で熱唱する。彼は正真正銘、カッコいいロックシンガーだ。(平山牧伸がマラカス&コーラスで参加)

アップテンポな「銀河のマシンヘッド」で会場のノリも最高潮に達したあとは、ファンキーアレンジの「Always on my mind」ではワンコーラスをゆったりと歌い上げたあと、ビートの利いたファンクなリズムで押しまくる。この曲で、ユカイはブルースハープも披露。

ヒートアップした後、美しいピアノの音色が全編にわたって流れるバラード「ラストソング」。胸に迫るヴォーカルを聴かせる。終盤に向かって全体のヴォリュームが上がり、ドラマティック展開した。

 


山下達郎

この日のトリは、なんと最後の最後で参加決定した山下達郎!(彼は難波弘之の長年の友人である。)会場は大きくどよめき、拍手と歓声があがった。ステージに上がった山下は、「こんなブリティッシュな人達と演奏できてすごくうれしい」「全編、ブリティッシュで歌いたい曲をやらせていただきます」と楽しそうに語った。

ノビノビと、本当に楽しそうに歌い上げた「Cadillac」。あっと言う間にヴォルテージが上がり、大谷のギターが火を吹く。「サテンの夜」が始まると場内から歓声が!彼独特のハリのある高音で悲しげなラブソングをじっくりと聴かせた。最高のバンドメンバーに最高のヴォーカリスト、なんとも贅沢な瞬間だ。(この曲を歌い終わった後、山下の「楽しいな!」の一言がとても印象的。)

圧巻だったのが「青い影」。この曲は山下にとっての「All time favorite…」「人前で一回演奏してみたかった曲」だという。あまりにも有名なイントロのオルガンフレーズが流れ、山下のヴォーカルが気持ちよく広がる。今まで何度も耳にした曲だが、これほど良い曲だと感じたのは初めてで、本当に感動した。彼のヴォーカルでこの曲が聴けたことに感謝したい。

続く「Fresh Air」(この曲のみウエストコースト)では、大谷のギターと難波のエレピがごきげんなフレーズを連発。目の前にいるのは、渋くてカッコいいロックバンドだった。「素晴らしい演奏で、すごーく気分よくやらせてもらいました」「難波君も僕も25周年、共に白髪の生えるまで・・・」という山下のMCのあと、ラストソングは「Gimme some lovin'」。ごきげんなタテのりビートに場内、大盛り上がりでエンディング!



アンコール

出演者全員が勢ぞろいしてのアンコール。1曲目は「Lean on me」、場内手拍子のなかで金子マリがリードをとる。山下はタンバリンを叩き、ユカイがハープを奏でる。全員、笑顔でのコーラスだ。そして2曲目は「What's Going on」。吉良、ユカイ、山下の順でリードをとる。ミラーボールがキラキラ輝き、全体が夢のような光の渦に包まれる。全てが終結した輝かしい瞬間とでもいおうか?どの人の顔も(お客さんも)みんな輝いている。

そしてこの日、本当のラストソングとなった「Jonny Be Good」。途中、ユカイが「ルシール」を歌いだせば、山下もギターソロを披露。とにかく"楽しくてしかたのないステージ"は大合唱の中でついにフィニッシュとなった。

 

 



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シンガーが変わるごとに、その世界がガラリと変わる。そしてそれぞれが「本物の世界」に導いてくれる。バンドメンバーの演奏も素晴らしい。歌うことの素晴らしさ、音楽の素晴らしさ、そして喜びを感じさせてくれるライブであった。

今の世界を思う時、「純粋に感動する心さえ持っていれば、争いは起こらないのでは?」と思わずにはいられない。実際、サッチモの「What a wonderful world」で始まり、マービン・ゲイ「What's Going on」でエンディングとなったこの日の曲順には、プロデューサーの「9月11日、NYテロ事件の犠牲者に対する追悼と明日への希望」が込められているという。

そしてそれを実現させたのは、なにより難波弘之自信のアーティストとしての幅の広さ、豊かな人間性であったと思う。今回の企画、アーティスト、スタッフともに全精力をあげての「大大イベント」であたった。ひとりのオーディエンスとして、このコンサートを作り上げた全ての方に心から感謝を捧げたい。終演後、再び流れた難波千鶴子の歌がいつまでも心に残った。

(本文中の敬称は一部を除き、略させていただいています)



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SET LIST
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金子マリ
What a wonderful world (Louis Armstrong )
イルカたちのように (Mari Kaneko)
それはスポットライトではない(Bux Bunny)
セレナーデ(Mari Kaneko& Bux Bunny)
最後の本音(Mari Kaneko & Bux Bunny)

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吉良知彦 & 大木理紗
Colors -Wedding song- (ZABADAK)
遠い音楽 (ZABADAK)
水の踊り(ZABADAK)
永遠の森 ( ZABADAK)

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難波弘之
花・太陽・雨 (PYG)

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ダイアモンド◇ユカイ
Sympathy for the devil (Rolling Stones)
銀河のマシンヘッド(Red Warriors)
Always on my mind (Elvis Presley)
ラストソング (Red Warriors)


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山下達郎
Cadillac (The Shamrocks)
サテンの夜 (The Moody Blues)
青い影 (Procol Harum)
Fresh air (Quicksilver Messenger Service)
Gimme some lovin' (The Spencer Davis Group)


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Encore
Lean on me (Bill Withers)
What's going on (Marvin Gaye)
Jonny be good (Chuck Berry) 〜 Lucille(Little Richard) 〜


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取材協力: ON AIR EAST
写真提供: COOL CORPORATION LTD.
レポート: ASAKO MATSUZAKA
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