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"Thanks to Singers"によせて


今、光文社文庫の井上雅彦さん編の「異形コレクション/マスカレード」というアンソロジー用の小説を書いています。
「夜想曲」というタイトルで、初めて僕の両親(ふたりとも音楽家でした)が青春を過ごした戦前を舞台にした、
でもちょっと異次元ものっぽい短篇です。

今回、父や母の遺品のアルバムや、リサイタルのパンフレットや新聞記事を調べていて、
実に興味深い事実をいくつも発見しました。

KANKAWA氏に言われた、終戦直後、銀座の三越で日本で初めて電子オルガンを弾いた
伝説のジャズ・アコーディオン奏者がオヤジであった事やオフクロが戦前からフランス近代歌曲を歌っていた事などなど。

生きているうちに、「親なんかカンケーねーや」とか言わずに、「もっと話を聞いとけば良かった」と後悔しきりです。
"孝行をしたい時に親はなし"とは、まさにこの事だったのですね。

「Thanks To Singers」は、もちろん今まで一緒にプレイした素晴らしいシンガーに感謝を捧げるのが趣旨ですが、
両親にもThanksしたいと思います。当日は母の歌をかけます。

(難波弘之 2001.11.13)

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