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Live Report
第17回 東京JAZZ - the HALL -


17th TOKYO Jazz FESTIVAL Official Site

昨年に続き、渋谷を拠点に開催された第17回 東京JAZZ。
今年は「国境を越えて、世代を超えて」をテーマにジャズ界のレジェンドから最先端アーティストまで
幅広く活動するトップミュージシャンたちが集結した。



9/1 Evening -JAZZ ODYSSEY(ハービー・ハンコック、ティグラン・ハマシアン・トリオ)




Sep. 1 (Sat) Day

SOUNDSCAPE


コーネリアス
R+R=NOW




Cornelius / コーネリアス






このフェスティバルのメイン・ステージである 「the HALL」はCorneliusとしてソロ活動を展開する小山田圭吾のマルチメディア・ショーからスタート。小山田圭吾は1989年、フリッパーズギターのメンバーとしてデビューし、バンド解散後 1993年よりCorneliusとして活動開始。国内外多数のアーティストとのコラボレーションやリミックス、プロデュースなども行い、世界各地に熱狂的なファンをもっている。

場内に波の音のサウンド・エフェクトが流れ、ステージ前方に張られた白いスクリーンにプロジェクションされる、映画「The Arrival(邦題:メッセージ)」の、エイリアンの描く文字のような円環が音に合わせて変化するイントロに続いて幕が上がりCorneliusの演奏が始まった。ステージ後方いっぱいに映像が映し出され、アンビエントな、浮遊感のあるサウンドが会場全体に響く。ハード・ロック調の曲も入れ、サウンドに変化をもたせながらのパフォーマンスだ。

実は音量バランスの関係で小山田のボーカルが聴きづらい場面があり残念だったのだが、ジャズの要素を散りばめたアンビエント・ポップスの世界を繰り広げ、ジャズの持つ多様性を体験させてくれ、今年の東京JAZZは音と映像のコラボレーションによる幕開けとなった。


SET LIST
1. Opening
2. いつか / どこか
3. Point of View Point
4. AUDIO ARCHITECTURE
5. Helix / Spiral
6. Drop
7. Count Five or Six
8. I Hate Hate
9. Surfing on Mind Wave pt2
10. 夢の中で
11. Beep It
12. Fit Song
13. Gum
14. Star Fruits Surf Rider
15. あなたがいるなら



R+R=NOW / アール・プラス・アール・イコールス・ナウ







ロバート・グラスパーというと、R&Bやヒップ・ホップのアーティストという印象を持っている向きも多いかと思うが、今回はジャズのすべての要素を盛り込んだと言っても良いほどに未来的な、そしてフリースタイルな演奏を聴かせてくれた。

ジャスティン・タイソンの刻むリズムにデリック・ホッジのベースが乗り、そこへロバート・グラスパーのエレクトリック・ピアノが絡んでくる。テラス・マーティンのサックスとクリスチャン・スコットのトランペットがユニゾンでテーマを奏でた後、サックス・ソロ、トランペット・ソロと続く。クールな中に時折見せる激しさが心地よい。エレクトリック・ピアノのソロをフィーチャーした後、ベースが静かなパッセージを奏で始め、やがてドラムスが入ってくると深海のダーク・ブルーな世界へと沈み込んで行くようだ。トランペットのソロではフランジャーなどのエフェクターを効果的に使った音響的な技も小気味良い。30分になろうかというこのメドレー(「Power to the People」~「Respond」~「Been on My Mind」~「How Much a Dollar Cost」)でフリーフォームなR+R=NOWの世界観に十分に浸ってしまった。

次の「Taylor Time」はサウンド・エフェクト担当のテイラー・マクファーリンのソロで、ヴォイス・パーカッションに多様なエフェクター音を加え、さらにサンプラーを交えた巧みな音作りで会場を沸かせた。

続いてはベースのリフで始まるナンバー「Perspectives」で、テラス・マーティンはキーボード・セットに移ってシンセサイザーとヴォコーダーを奏でる。切れ目なく続く「Postpartum」で聴ける、徐々に積み重なって複雑に絡み合ってゆくバンドの技量は確かだ。一瞬の静寂を置いて続くヴォコーダー・ソロの後のロバート・グラスパーの疾走感のあるシンセサイザー・ソロは聴き応え十分だ。

それに続くデリック・ホッジのリリカルなベース・ソロ曲「Message of Hope」の終わりが「Resting Warrior」に繋がってゆき、細かいリズムでテンポ・アップした展開を見せるとクリスチャン・スコットがトランペットで熱い演奏を聴かせ、それを受けたロバート・グラスパーがアコースティック・ピアノ・ソロで短いパッセージを繰り返しながら変化させてゆく様はチック・コリアを想起させる。そしてシンセサイザーに移りリズム・セクションとの絡みを聴かせると、演奏は重層的に織り重なり合って昇りつめてゆき、そして小技の利いたドラム・ソロをフィーチャーしてエンディングへとなだれ込んでゆく。その白熱したステージには観客も総立ちとなり賞賛を惜しまなかった。


Members
ロバート・グラスパー(Key, Rhodes)
テラス・マーティン(Sax, Vocoder, Key)
クリスチャン・スコット(Tp)
デリック・ホッジ(B)
テイラー・マクファーリン(Key, Electronics)
ジャスティン・タイソン(D
)


SET LIST
1. Power to the People
2. Respond
3. Been on My Mind
4. How Much a Dollar Cost
5. Taylor Time
6. Perspectives
7. Postpartum
8. Message of Hope
9. Resting Warrior


レポート:Tatsurou Ueda
画像提供:第17回 東京JAZZ
撮影:中嶌 英雄、岡 利恵子
Special thanks to TEAM LIMITED.


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