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LIVE REPORT

KANKAWA DRIVE "CONFUSION" RECORDING TOUR 2001

DRIVEバンドは、なんだか巨大な生き物だ。変幻自在で生命力に満ち溢れている。
彼等の演奏を聴くたびにワクワクする。何が起こるかわからないからだ。


at TLG


このバンドは生きている。まるで巨大な生き物だ。バンド自体がひとつの生物(なぜか非常に大きな爬虫類系恐竜 ? を連想してしまった)のようになって、進化しつづけている。しかも変幻自在!

3回もライブに通ってしまったのも、そのせいだ。「明日は何が起こるだろう?」「もっとスゴイかもしれない」という思いにかられて、聴かずにはいられなかったのである。強烈なインパクトを受け続けた3日間であったが、ここではツアー最終日、ライブレコーディングも行われた郡山ヒップショットでのライブを中心にレポートしよう。

9月15日 クロスランド小矢部 ライブレポートはこちらへ

9月21日
Tribute To The Love Generation ライブレポートはこちらへ


9月22日 Hip Shot (郡山)

場内はあちこちから談笑が聞こえるリラックスした雰囲気。そしてそんな中で、ツアー最終日のDRIVEを迎える準備は万端に整っているようだ。

at Oyabe


暖かい歓声に迎えられて勝田が登場。鋭く凛ととしたSAXの音色が響く。ほどなくして是方のギターがサックスに絡まっていく。清水がリズムを刻みだし、則竹がジョイント、とたんにバンドがグルーブする。
そこへKANKAWAがゴージャスな帽子をかぶって登場し、「Two Steps Jam」がスタート!思わず体が自然に動いてしまうような、強力で心地の良いグルーブ感だ。


続く「Organic Swamp」も、まさに"タイトルのごとし"で、よりファンキーなグルーブでぐいぐい押していく。清水のベースは弾むようにビートを刻みながら、それでいてすごい重量感だ。則竹も「腕も折れよ」とばかりに打ち据え、KANKAWAは次々に軽妙なフレーズを繰り出す。トバしまくるDRIVE、メンバーの全員、とても良い表情をしている。そしてエンディング・・・次第に音がピアニシモになっていき、一瞬にしてすっと消えるフィニッシュがまた印象的であった。

 



at Oyabe

一転して場面は動から静へ。是方がヴォコーダーを駆使してのイントロ。やわらかなヴォイス・ストリングスが会場全体に広がり、KANKAWAのメロディカがやさしいメロディーを奏で、平和で穏やかな空気に包まれる。浮遊するような、スペイシーなイントロ。そんな中でもフリースペースがうまれお互いに敏感に反応しあい、次第に音量とスピードが増していく。やがて是方のギターが一際高く唸りをあげ、「Tears of Mermaid」は本編へ。線の太いギターサウンド、感情表現豊かなメロディーは心に深く響く。勝田のSAXが泣き、是方が全身で表現する。全てが大きな感動に包まれた。

MCで思い切り和んだ後は、スピード感あふれる「Lagos Street Life」。メンバー全員が思い思いに、自由にDRIVEする。清水のベースソロはテクニカルでありながら、重量感にあふれ、音とリズムの洪水が押し寄せるようだ。全員の気持ちが見事なまでに気持ちが1つになった、すごく熱いJAMセッションだ。

「V Sixteen」はストレートなロック。バンド全体の勢いがすごい!痛快なリズムに乗ってKANKAWAのオルガンがヒートアップ!"吹き出したら止まらない"勝田のサックス。そして則竹のドラムスが爆発する。




KANKAWA (Org, Melodika)  at Hip Shot Hiroyuki Noritake (Ds)  at Hip Shot

Hirokuni Korekata (Gs) at Hip Shot Kazuki Katstuta (Sax)  at TLG Ko Shimizu (Bs)  at Hip Shot

場面が変わり、チャーチオルガンが厳かに響き渡る。「UGANDA Part U」への導入である。重厚なサウンド、なにやら尋常ではない空気が漂う。清水の骨太いベースが独特の重いリフを刻み、テーマが展開される。最高のテンションの中でお互いが反応し、スピード感あふれるJAMが展開していく。

緊張感が最高に高まったところで、「UGANDA Part Y」へ突入。バンド全体のパワーが増し、1つの熱い塊となって会場もろとも呑み込んでいく。KANKAWAのオルガンは鋭い感性がほとばしり、エキサイティングでスリリング。是方はステージ中央で激しく弾きまくる。そして渾身の力をこめた則竹のドラムソロは、まさに全てを圧倒するすさまじいパワーだ。ドラムソロの後、さらに熱く、さらにスピードを増しながら、ついにエンディングへとなだれこんだ。

観客の熱いコールの中でのアンコール、グルーブ感あふれる「Smoke on the water」では、客席に乱入した是方がファンを次々にステージへ上げ、もはや客席もステージも無い状態に!そのまま、ラストナンバー「Green Onion」の心地よいグルーブに全員が酔いしれた。

 

Smoke On The Water !    at Hip Shot

この日の録音は来年1月末(予定)にCDとなって発売される。これは聴かずにいられない!そして1曲20分前後という長大な演奏が「いったいどうやって1枚のCDに収まるのか?」・・・これもまた興味のあるところである。すでに、"来年1月ツアー"のニュースも飛び込んできているDRIVE BAND、KANKAWAが提唱する「21世紀のコンフュージョンミュージック」は更に発展しそうである。そして、この次出会うDRIVE BANDが「どんな姿をしているのか?」、今から楽しみなのである。


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SET LIST

1. Two Steps Jam (K.Shimizu)
2. Organic Swamp (KANKAWA)
3. Tears of Mermaid (H.Korekata)
4. Lagos Street Life
5. V Sixteen (K.Katsuta)
6. UGANDA PartU
7. UGANDA Part Y

Encore)
Smoke On The Water
Green Onion
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9月15日 クロスランド小矢部 (小矢部)


クロスランド小矢部、この日はホールコンサートである。出音が大きすぎたためか、クラシックホールの特有の深いリバーブのせいか、細かいフレーズや音色の妙は聴き取れなかったのが残念。

が、それでも3ヵ月ぶりに聴くDRIVEバンドは確実に変わっていて(進化していた!)、まずは、そのスケールとパワーに圧倒された。メンバー間のコミュニケーションが抜群で瞬時の音量コントロールも思いのままだ。嵐のようなインプロヴィゼイションの応酬、より強力になったDRIVEの姿がそこにあった。

この夜のオーディエンスがまた素晴らしく、演奏スタート直後のメンバー紹介に大歓声、素晴らしいソロに対しては大拍手、アンコールでは全員総立ちで盛り上がった。






9月21日(金) Tribute To The Love Generation (東京)


この日はオープニングアクトあり。小学6年生の斎藤かずあき君が「Talkin' Bour Mr. K」を披露。大人顔負けのノリ、堂々たる弾きっぷりだ。天才エレクトーン少年だという。バツグンのリズム感と見事な足技に脱帽!


そして、この夜のDRIVEは最高にグルーブしていた!スタートから2曲「Two Steps Jam」「Organic Groove」のグルーブは強力で、次々と繰り広げられるインプロヴィゼイションとともに全てを呑み込んで渦巻いていく。美しく哀愁をたたえるメロディカの音色、胸にせまる重厚なバラード、爽快でストレートなロック、終盤、全てが結集した迫力のUGANDA「Part 2」「Part 6」・・・彼等の"JAM ワールド"は最後までドラマティックに展開していった。


ここTLGはゆったりと演奏を楽しむことができるスペースだ。この日も、心行くまでどっぷりと音楽につかることができたのだが、ただ1つ、オーディエンスの反応が今ひとつだったのがなんとも心残りである。東京のオーディエンスは良い意味でクール(きびしい?)と聞いたことがあるのだが、それはそれとして、その場その場の「音」への自然なリアクションが、演奏を更にヒートアップさせ、よりクオリティの高いものにしていくのだと思う。

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From Members...


開演前に・・・

KANKAWA:「楽しくいこかなあ〜」と思うてる。

清水興:このバンドはホンマに「成るようにしかならへん」からね。で、「成るようになる」ために今日までの時間を使ってきてるつもりやから。たぶん今日もエエ時間が流れると信じてるけどね。

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Report & Photos by A. Matsuzaka


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