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コラム:水戸室内管弦楽団 公開リハーサル(第99回定期演奏会 指揮:小澤 征爾)



5月12日、14日の2日間、水戸芸術館で小澤征爾とマルタ・アルゲリッチという、まさに夢のような顔ぶれによる共演が行われる。演奏曲目はベートーベンピアノ協奏曲第1番。そしてオケはもちろん水戸室内管弦楽団。

今回、残念ながら本公演を聴くことはできなかったが、前日の公開リハーサルを覗かせていただいた。この公開リハ―サルは「オーケストラの生演奏を、実際の練習風景を子供たちに聴かせたい」という水戸芸術館館長であり、同管弦楽団総監督である小澤氏の要望により水戸市内の小・中・高校生を対象に開催されているもので、今年は「部活動で音楽を演奏している高校生」が対象となっていた。

この日の練習プログラムはグノーの「9つの管楽器のための小交響曲 変ロ長調」とグリークの「組曲 ホルベアの時代より 作品40」(弦楽合奏曲)。この2曲は指揮者なしで演奏されたため、小澤氏の指揮風景、そしてアルゲリッチとのベートーベンを聴くことはできなかったが、その内容はとても興味深いものであった。

やわらかな管楽器のハーモニーが心地よく響いたグノーから始まり、グリークでは透明感のある弦のアンサンブルを堪能した。グリークの演奏開始前には小澤氏がマイクをもって水戸室内管弦楽団や、指揮者なしでの演奏について、ウィットにとんだジョークを交えながら高校生たちに優しく解説した。

グリークでは、途中、室内楽メンバーがディスカッションしながら部分練習をする場面も見られたのだが、そこで小澤氏が一言、二言、アドバイスすると、一瞬で音色が活き活きとして深みと抑揚が増し、キメのリズムもジャストタイミングでしまる! という「小澤マジック」を体感することができた。

終了後、高校生たちからは、「管の音が柔らかくて素敵でした」「指揮者がいないのにちょっとした動きだけで合わせられるのがすごいと思いました」などの声が聞かれ、またチェロを演奏しているという男性は「グリークを聴くことができてとても充実した時間が過ごせました」「小澤征爾さんのちょっとした一言で演奏が大きく変わるのを感じました」と語っていた。



水戸芸術館 広報担当 鴨志田氏からコメントをいただきました!

この公開リハーサルは、「学生の皆さんに生の演奏を聴いて
いただきたい」という小澤征爾館長の意向で始まっています。
学生の皆さんに、小澤征爾館長と水戸室内管弦楽団メンバーが
どのように曲作りをしていくかを見て、聴いていただく良い機会だと
感じています。



(文章)Asako Matsuzaka
(写真)水戸芸術館提供 撮影:大窪 道治


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